誰かの中の1日目
西村 烏合
chapter 3
「三人?それとも四人で?」
「三人だ。セミヴァーチャルで」
そう言ってアレックスはセスの肩を掴んで自分に引き寄せた。セスは整ったマネキン顔をちらりと見上げたが、合わせてその腰に手を回した。アレックスは見事な作り笑いを浮かべている。
「セミヴァーチャルで。そんなきれいな顔じゃ、外身を脱ぐ必要なんてないものね」
受付係のカルキノス人は、整った顔立ちで笑顔を作る男を面白そうに見ながら言った。暖色の照明の下で、内側から光をあてたように輝いているカルキノス人の目は、見つめる者を特別な空間にいるかのように錯覚させる。ほとんど服を着ていない男性、女性、性別のないヒューマノイドのホログラムがロビーに投影されてさえいなければ、ここが売春宿だとはわからない。
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