First Day Inside Someone Else ch.7

誰かの中の1日目

西村 烏合

 

chapter 7


なぜ自分がここから物事を見ているのかわからない時がある。
解放されるのは、自分がどこに居るか忘れている時。
でもここはそんなに広くない。走ろうとして檻に頭をぶつけて、自分が閉じこめられていることを思い出す。
“First Day Inside Someone Else ch.7” の続きを読む

First Day Inside Someone Else ch.6

誰かの中の1日目

西村 烏合

 

chapter 6


キャラバン・プラネット115自慢の軌道上ナイトクラブ、その調理場につながる食材搬入口に、高級ステリオ産ワインのコンテナが運び込まれてきた。バーカウンター担当のアンドロイドはコンテナを調理場の食材保管スペースまで運び入れ、人目がないのを確認してコンテナを開封した。
「酒はまだか?客にダーツの的にされたくなかったら今すぐ持ってこい」
「今行きます」
 突然響いた無線通信機の音声に驚きながらも、アンドロイドは丁寧に返答して、コンテナの中からまず余分な積荷を引っ張り出した。
“First Day Inside Someone Else ch.6” の続きを読む